診断基準と特定健診制度
生活習慣病やメタボリック症候群の増加が社会問題となっています。
そんな中、2005年には日本循環器学会、日本動脈硬化学会など8つの学会によって「メタボリックシンドローム診断基準」が公表されました。
これによって日本人に即した診断基準が明確となり、自己診断が容易にできるようになりました。
また近年日本で始まった特定健診制度の基準となるなど、メタボリック症候群の予防としても広く活用されています。
診断基準の一つは男性では腹囲が85センチ以上、女性では90センチ以上であることです。
これはこの数値が内臓脂肪面積100平方センチメートルに相当し、内臓脂肪が過剰であると判断されるからです。
基準ではこの状態にある人を「要注意」のレベルとしています。
そして2つ目として高脂血症では中性脂肪値が150mg/dl以上、またはHDLコレステロール値が40mg/dl未満に当てはまることです。
3つ目に高血圧では収縮期血圧が130mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上であることです。
そして高血糖では空腹時血糖値が110mg/dl以上であることです。
一つ目の腹囲基準に加え、高脂血症、高血圧、高血糖の基準値に2つ以上該当すればメタボリック症候群と診断されます。
メタボリック症候群と診断された場合には一つ一つの症状が軽くても動脈硬化に進む危険率が高くなります。
その結果、命に関わる重大な病気を招くと考えられます。
診断基準によって自分の健康状態を知り、メタボリック症候群の予防や改善に取り組むことが求められています。
メタボリック症候群の予防と早期発見のために、日本では2008年4月から特定健康診査が始まりました。
これは政府における医療制度改革の一つであり、増え続ける医療費に歯止めをかけるための政策でもあります。
厚生労働省では今後5年間でメタボリック症候群とその予備軍を10%減らし、国の医療費を年間約6兆円減らそうという目標をあげています。
特定健診は企業の健康保険や国民健康保険に加入している40歳から74歳までの本人とその扶養家族が、年に一度受ける健診です。
医療保険者が責任を持って健診を実施することが義務付けられています。
そしてこの健診制度によって中高年のほぼ全員が特定健診を受けることになります。
これまでにも団体や自治体などによって健康診断は実施されてきました。
しかし、特定健康診査ではメタボリック症候群の概念を取り入れた内容である点で大きく異なっています。
実際の健診ではメタボリック症候群の判定基準の一つである腹囲とLDLコレステロール値が追加されており、検査値を調べるだけではなく、メタボリック症候群を見つけるための本格的な健康診断となっています。
また健診の結果が悪かった場合には医師や保険師、管理栄養士による「特定保健指導」によって日常生活についての指導を受けることになります。
メタボリック症候群は自覚症状がないまま進行する場合が多くあります。
早期発見や予防だけではなく、一人一人の予防意識を高め、多くの人が健康的な生活を送ることも目的の一つです。
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